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ナルニアの謎は深まる ナルニア国物語「カスピアン王子のつのぶえ」 [ナルニア国物語]


ナルニア国物語「カスピアン王子のつのぶえ」
C.S.ルイス 瀬田貞二訳 カラー版2005年7月発行 岩波書店

今TVで、洋服ダンスから信長と千利休が出てくるCMをやっているが、
あれはナルニアのパクリだな、と思いつつ2作目を読んでいた。

でも、今回あの4兄弟姉妹を呼び寄せるのは、洋服タンスではなく「つのぶえ」だ。
つのぶえ、といえば・・・と1作目を読まれた方はピンと来るにちがいない。
4人の子供たちの一人が彼の地で持っていた貴重な品だ。

4人の子供たちは夏休みを終えて、新たな学期を学校で向かえるために寄宿舎に向かう
ホームにいた時、不思議な力で再びナルニア国に呼び寄せられる。
ハリー・ポッターもそうだが、このあたりの描写からイギリスの教育制度が読み取れる。
もちろん、イギリスのすべての学校がそうではないが、家を離れて寄宿舎生活を思春期に送る、
というのはどういう気持ちなのか、多くの日本人にはわからない。
それが向いていれば楽しいし、向いていなければ地獄かも・・・。

この作品に入り込むと、時間軸がいったいどこにあるのか、一瞬くらくらする。

というのも、4人の子供たちのいる世界と、ナルニアのある世界とは時間の流れが違うからだ。

4人が今回ナルニア国に呼び寄せられたとき、そこは1作目の状況から大きな変化があり、
4人は面食らうことになる。
その一方、その当時ナルニアを治めていたテルマール人の王子であるカスピアンは、
乳母から聞いた昔のナルニアの話を頼りに、自分を抹殺しようとする叔父たちから逃げ出す。
どこで4人とカスピアン王子が出会うのか、また、ナルニアはどうなるのか。
前作よりも少々ややこしいことになってくる。

ただ、作品の最後のほうではナルニアの秘密が少しだけ明かされる。
それは、読んでのお楽しみ。

ナルニア国物語は、前にも述べたように全7作から成る壮大な物語である。
しかし、どういう意図があるのかまだわからないが、時間の流れに沿った構成にはなっていない。
これがどういう効果を現すのか・・・。

多分、それは全作を読んでこそわかるのではないかと信じて、楽しみながら読んでいきたい。

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※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。

カスピアン王子のつのぶえ

カスピアン王子のつのぶえ

  • 作者: C.S.ルイス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/07/09
  • メディア: 単行本


カスピアン王子のつのぶえ ナルニア国ものがたり (2)

カスピアン王子のつのぶえ ナルニア国ものがたり (2)

  • 作者: C.S.ルイス, 瀬田 貞二
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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コメント 4

武田のおじさん

こんばんは。いつも はは~ん。ほえ~。どひゃ~。と驚かされるのは、一体どこで、いつ、そんなに沢山の本を読んだり出来るのだろう?と、思う点です。
ほんとに本を愛しておられるのですね。
確かに、こんな私でも、興味を引かれた本に出会ったら、翌日仕事でも、トイレの中、車の信号待ちするわずかな時間さえ惜しんで読みますが・・・。(危ね~。)
ほんと、本との語らいの時間は、時間と空間を超越してしまいます。

そうか!!

ブック・カフェ ニライカナイは時間と空間を超越した異空間に存在していて、地球とは時間軸が異なるので、まるで、地球の1時間が、そこでは何時間にもなるのだ~。
って、つまり、浦島太郎の逆バージョン。
だから、本を沢山読んでも、地球時間はそんなに経過していないのだ。

結構、わたしって空想家!?(笑)
by 武田のおじさん (2006-01-07 00:18) 

ニライカナイ店主

武田さんへ>
ははは、ばれましたか(笑)。
初めて読む本は確かに時間がかかりますからね。そのときは異次元空間に
ちょっと雲隠れしております。
半分は再読のものですから、現世で読んでおりますよ。
by ニライカナイ店主 (2006-01-08 10:14) 

こんにちわ。
「カスピアン王子のつのぶえ」も、とても面白かったです。
「ライオンと魔女」で現実世界に戻ってきた彼らが
今度はこういう風にナルニアと繋がるのか~。
とワクワクしながら読んじゃいました(笑)
最後のミステリアスなピーターの会話も気になるし。。。
本当、子供も大人も楽しめる作品ですよねぇ~。
by (2006-02-25 08:52) 

ニライカナイ店主

norizo!さんへ>
こちらへもナイス&ご来店ありがとうございます。
ナルニアは、あちらへ行ける人がその時々で違う、というのが
ひねりがあって、面白いんですね。もしかすると、そこに行くことが
必要な子供たちが呼ばれているのかな、とも思います。
今の多くの子供達にも、こうした夢のある良き本に出会ってほしいと願って
やみません。
by ニライカナイ店主 (2006-02-25 10:25) 

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