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読者に年齢制限なし! 「ナルニア国物語3 朝びらき丸東の海へ」 [ナルニア国物語]


「ナルニア国物語3 朝びらき丸東の海へ」
C.S.ルイス 瀬田貞二訳 1966年初版(写真は2005年版)  岩波書店

ペベンシー家の4人きょうだいの3番目エドマンドと末娘ルーシィは、両親の都合で親戚の家に
夏休みの間預けられることになる。そこには、わがままで意地悪ないとこ、ユースチスがいて、
2人はナルニアの思い出に浸る日々を送っていた。

ところがある日、その家に飾られていた船の絵を3人で見ているうちに、いつの間にか
波にさらわれて・・・・そう、3人は「あの」世界に引き込まれてしまう。

そこに現れたのは、王となったカスピアン。そのカスピアンは、
東の海の果てを探検するようと、ある者の謀略により追いやられ、行方不明になっている
亡き父の7人の友人たちを探す旅をしていた。
そして、もちろん、エドマンドとルーシィ、さらに不本意ながら連れてこられてしまった
ユースチスも共に旅をすることになるのだが・・・。

今回は、ナルニアの世界の「海の果て」がどうなっているのか、全く手探りの中での冒険が続く。
その中で、ユースチスの性格を変えるとんでもない出来事が起こったり、カスピアン王子の
ロマンスがあったりと盛りだくさんである。

特に、最後にたどり着く海の果ての美しさ。
本当にそのような世界があったら、だれもが行ってみたい、と思うだろうが、
一方、果ての向こうに何があるのかは誰にもわからない。

このような冒険は、多分普通の生活をしている私達にはあまり縁のないものかもしれない。
知らない土地、知らない文化、知らない人々、知らない世界・・・読んでいる者たちも共に
どきどきしながら冒険の旅に同行しているような気持ちになる。

ただ、今回の冒険には、年長のピーターとスーザンは参加していない。
前の冒険の最後で示唆されたとおりだ。
ナルニアにはやはりある年齢までしかいけないのだろうか?
更に、今回も謎は残される。
ルーシィがナルニアを作ったライオン、アスランと意味深な会話を交わすのだ。

アスランが語った言葉の意味を胸に、更にナルニアへの旅を続けていける私達は、
やはり幸せなのだろう。
読者には年齢制限はないのだから。

さて、次の冒険は何が待っているのだろうか?

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※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。

朝びらき丸東の海へ ナルニア国ものがたり (3)

朝びらき丸東の海へ ナルニア国ものがたり (3)

  • 作者: C.S.ルイス, 瀬田 貞二
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


朝びらき丸 東の海へ

朝びらき丸 東の海へ

  • 作者: C.S.ルイス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/07/09
  • メディア: 単行本


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コメント 4

武田のおじさん

先日、立ち読みで、ライオンと魔女読みました。洋服ダンスの奥とは考えましたね。
家中で、かくれんぼした時、やっぱり絶好の隠れ場所が、父の洋服ダンスだった。もちろん小さなタンスだったけど・・・。
でも、子供には、押入れや、洋服ダンスの中はファンタジーなのかもしれませんね。
それから、絵の中に冒険に行くのは定番!?
むかし、NHKの幼児番組でよく似たのありましたよね。あれは、気球に乗って入って行くのだけれど・・・。好きなシュチュエイションでよく見ていました。
by 武田のおじさん (2006-02-01 00:38) 

ニライカナイ店主

武田さんへ>
ナイスとコメント、ありがとうございます。
この作品はどこからナルニアにつながるのかがわからないところが
また面白さの一つです。しかも、この絵はいわくつきで・・・とあまり
話してしまうとこれから読む人がつまらないので内緒にしておきますが・・・。
この作品は、映像にしたら、今の技術ならすばらしいものになると
思います。今度1作目が映画化されて(日本では春公開ですね)
制作側が「3作目までくらいは考えている」ということだったので、
ぜひ観てみたいシーンがたくさんあります。
ただ、なかなか言葉で表現することは難しいですよね。何しろ、この世とは
違う世界の物語なので。だから、本でも読むけれど、映像でも見てみたい、
と思うわけです。ただ、想像と違うリスクもありますけれど・・・。
指輪物語の最後のシーンは私が考えていたのとちょっと違ったので
難しさを感じました。
by ニライカナイ店主 (2006-02-01 11:23) 

トム

カスピアン王子の角笛の英国テレビ版を見たことがあります、出来は今ひとつだったですが。
映画版は期待持てると思ってます、ナルニアは指輪と違って一話完結っぽいので監督とシナリオの胸一つでかなり忠実な再現がかのうかと。
ナルニア子供のころに出会いたかった本です。
by トム (2006-02-02 06:11) 

ニライカナイ店主

ホシさんへ>
ナイスとコメント、ありがとうございます。
観てみたかったですねえ、そのいまひとつ。どんなふうに描いていたか。
ナルニアは、時間軸が4作目までは比較的素直に推移するのですが、
この後はかなり交錯してきます。どうして著者がそうしたのか、あえてなのか、
やむをえない事情があったのか・・・多分、最後まで読みきるとわかるのかな?
と個人的には思っています。
2作目よりも、3作目の方がビジュアル的には向いているような気がするので、そこまでなんとか映画も続いてほしいものです。
子どもの頃読んでいたら・・・と私も思いますが、多分、そのエネルギーは
また他のかけがえのない本に向いていたと思うので、まあ、これも運命かと。
by ニライカナイ店主 (2006-02-02 11:25) 

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