犬と音楽と日々の物語 「雨はコーラがのめない」 江國香織 [エッセイやマンガでリラックスしたいときに]
「雨はコーラがのめない」 絵國香織 新潮文庫 2007年
最初、タイトルを見たときには「なんのことだろう」と思う。
本の表紙に小さな犬の絵が描いてあるだけだ。
暑い夏に気軽な薄い一冊。身軽さが潔い。
それにしてもタイトルが気になる。
雨の日にはコーラが飲めないということか?とも思う。
実際は「雨」という名の犬と著者の音楽とその日々を描いたエッセイである。
「雨」はアメリカン・コッカーらしい。
毛の手入れに手間のかかる犬種。でもそれがまた著者にはうれしい。
冬の散歩で枯葉を連れたまま帰ることも、グルーミングに時間のかかることも。
そして、「雨」は著者とともに様々な音楽を聴く。
好みはさておき、クィーンから尾崎紀世彦まで。シンプリー・レッドの章では、
私もふむふむとうなづく。「雨」はソプラノに反応するらしいが。
犬、という人間に寄り添う・・というよりも依存して暮らす愛すべき生き物と、
執筆業という特殊な仕事に携わる著者の音楽を介在としたゆるやかな関係。
それは犬を愛する人、また、音楽を愛する人にもまた響くに違いない。
どちらかといえば猫派の私も、音楽を一緒に聞くならば犬のほうが?と
つい思ってしまった一冊である。
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※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。
なんて素敵な表紙、タイトルなんでしょう!
おもわず手にとって見たくなる一冊ですね^^
江國、実は本は読んだことないんですよ~。
ちょっと、気になりますね・・紀伊○屋に覗きにいってみよう^^
by (2007-11-15 09:38)
ねこばすさんへ>
ナイス&ご来店ありがとうございます。
絵國さんはちょっと癖がある文体でもありますが、これは動物好きには
たまらない、特に犬と音楽好きにはいい作品です。しかも寒い時期に。
短編&エッセイですので、まずは様子を見てみてください。作品としては
「きらきらひかる」あたり(かなり昔のですが)がお薦めです。映画化も
されているので、DVDがあればあわせて見るとなお面白いかもしれません。
by ニライカナイ店主 (2007-11-17 22:19)