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しゃばけシリーズ「ちんぷんかん」 [ミステリーを楽しみたいときに]

「ちんぷんかん」畠中恵 新潮社 2007年

「しゃばけシリーズ」ももう何巻目になったことか。
しかし、とうとう今回はあの若旦那、大火事に巻き込まれ
三途の川までやってきてしまう。
しかし、気がつくと袖から鳴家が顔をだしているではないか!
連れてきてしまったのである・・・
自分は寿命だとしても、鳴家まであの世に連れて行くのはかわいそう・・・。
そんな若旦那のなやめる賽の河原での出来事を描く『鬼と子鬼』。

ほか、タイトルをふくめ、全5作の時代物ファンタジーといえる短編で
構成されている。

今回の作品は、若旦那が自分の寿命、死について考える内容が多い。
また、それに絡めて、結婚や自分のこれからを考える場面も・・・。
長く細く・・・といっても心配になるのがファンの心理である。

一方、若旦那のやさしさや、どうしようもないことがこの世にはあることも
しみじみと伝わってくる。
さらに、江戸には多かった火事の様子では、大棚が火事に備えて穴倉を掘って
そこに商売道具を埋めて焼けるのを避けたり、丈夫な土蔵を建てたり、という
工夫をしていた生活の知恵も描かれている。
さらに、火事があれば大工も材木屋も儲かり、あっという間にまた新しい街並みが
再建される、というたくましさも垣間見られる。

物の本や博物館で見かけていた江戸の知恵がこんなところで顔を出すとは・・・。

昨年、テレビドラマにもなった「しゃばけ」シリーズ。
さてさて、どこまでいくのやら。
妖の寿命から見れば一瞬のような人間の人生だが、だからこそきらりと光るのかもしれない。

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※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。

ちんぷんかん

ちんぷんかん

  • 作者: 畠中 恵
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 単行本


nice!(2)  コメント(3) 
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コメント 3

>昨年、テレビドラマにもなった「しゃばけ」シリーズ。

まったくテレビ音痴なもので存じませんでした(汗
by (2008-01-20 22:25) 

お久しぶりです!!
今までは、そうでも無かったのに『しゃばけ』では別れがチラホラ見えて落ちつかないというか次回が楽しみだけど少し読むのが怖いというか…そんな感じの終わり方ですよね。
寛朝様には何か見えてるんでしょうか?!仁吉や佐助が納得したくない何かが待っているんでしょうか。気になります。
by (2008-01-21 11:06) 

ニライカナイ店主

はっこうさんへ>
ご来店&コメントありがとうございます。
あまりに可愛い若旦那でちょっと心もとなかったのですが、
作品自体としては時間内でまとまっていました。しかし、このところの
しゃばけシリーズの人気は上り調子のようです。

桜千鳥さんへ>
お久しぶりです。コメント&ご来店ありがとうございます。
次回作、ちょっと何か展開がありそうで読みたいような、心配なような・・・
私も気になります。でもやっぱり若旦那にはしっかり成長していって
ほしいのですけれど・・・。
by ニライカナイ店主 (2008-02-01 17:58) 

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