さあ、旅立とう!「つばさよつばさ」 浅田次郎 [エッセイやマンガでリラックスしたいときに]
「つばさよつばさ」 浅田次郎 小学館 2007年
この旅のエッセイ集は、JALの機内誌に連載されていたものを
加筆・修正したものである。
たまに飛行機に乗ると、この作品と機長のコラムはいつもなんとなく
眺めていたが、読み流していたのか「これは記憶にある」という作品は
なぜか無かった。
本人が「旅先作家」と述べているように、海外を書くにしても、
旅先で書きたい、と思っても、海外でなにやら講演やらイベントに
出演するにしても、この人はささっとエッセイに書き上げるらしい。
家で「うーむ」と頭をひねるよりも旅に向かう機内のほうが
筆も読書も進むタイプらしい。
海外に出かけるとき、もちろん一般人とは違ってゆったりした席に
座っているのだろうから、書き物も読書もゆるりとできるのだろう、と
思ってしまうのはうらやみ意外のなにものでもないけれど。
旅先の食事について、旅先でのアクシデント、世界各地の習慣の違い、
そして海外で見る日本人の姿について。
様々な光景を切り取った短編が並べられている。
ははは、と笑って流せるものもあれば、むむむ、と考えさせられる
ものもある。
そして、時にほろっとするものも。
こういう本は、旅に行くときに読むというよりは、
旅に出たいけれど出られない時にこそ、眠る前に少しずつ読むのがいいかもしれない。
今度はどこに行こうか、としばし翼を広げて考えることは
誰にも与えられた自由である。
気軽に読める作品なので、肩の凝らないエッセイを探している方、
ぜひ手にとってみてはどうだろうか。
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※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。
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