猫好きにはたまらない 「ブランケット・キャッツ」 重松清 [人生や物事について考えたいときに]

「ブランケット・キャッツ」 重松清 朝日新聞社 2008年
asahi.comに2003年の半年間掲載されたものを改稿した短編集。
おそらく、猫好きにはたまらない一冊である。
2泊3日で何匹かの中から選んだ猫を借りていくことができるという設定。
いくつかのルールはあるが、借りていく理由は多様である。
猫たちはその場に居合わせて、ときに自由に、ときにふりまわされ、
ときに人間達がおどろくような結末で幕引きをする。
それぞれの短編が独立しているのだが、いずれもどこかで人間関係や
人間性に深く関わっている。
そして、それを浮き彫りにしているのが登場する何匹かの「ブランケット・キャット」
たちだ。
その猫たちの特徴や個性を描いている部分も猫好きにはたまらない。
それを楽しみつつ読んでいると、いつのまにか実はそこにいる人間達へ
感情移入していることに気づく。
特に今の家族状況を描き出している作品が多い。
いくつかは大人だからこそわかるものもある。
いくつかは若い世代に読んで欲しい作品である。
それらが混在しているのでどんな方におすすめなのか
悩むところであるのだが、
つまるところ、猫に恨みでもないかぎり、大抵の人に
読んで良かったと思っていただけるような救いのある作品であると
いえるのでは、と感じる。
<Amazon.co.jp へのリンク>
※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。
始めまして。
重松清は好きで最近少しずつ読んでいます。
かつ猫が大好きなので探して読んでみます。
by urotan (2008-11-21 09:56)
これはまた、面白そうな設定ですね。
家に付くという猫が、はたして貸し出し可能なのか。
まさに、借りてきた猫のようになるのか。
興味深いところです。
by クレマチス (2008-11-22 00:35)
urontanさんへ>
初のご来店&ナイスありがとうございます!
コメントを拝読するとこの本はぴったりと思います。
猫をレンタルしていく人たちがもちろん主人公なのですが
猫の習性や存在をうまくとらえた作品になっていますよ。
クレマチスさんへ>
毎度のご来店、本当にありがとうございます。
それなりにしつけてある、という設定です。
もちろんフィクションなので、猫の本来の習性から考えると
「仕事」するようにしつけられているOR向いている猫、
というような感じでしょうか。
猫はあるいは象徴なのかもしれませんが・・・
by ニライカナイ店主 (2008-12-02 09:42)