「1つのボウルでできるお菓子」 大原照子 [お菓子や料理について知りたいときに]
「1つのボウルでできるお菓子」 大原照子
1993年9月初版 文化出版局
お菓子が自分で作れればいいだろうなあ―多分、そう思う人は多いに違いない。
確かに、デパ地下や評判のケーキ屋さんに並ぶケーキは芸術品のように美しく、
その中の一部は「ああ、こんなに美味しいものが世の中にあるのか」と思える味だ。
でも、自分で一度ケーキを作り始めてしまうと、売っているケーキが甘すぎること、
凝りすぎていることに気がつく。
問題は、「自分で作るのは大変」という壁だ。しかし、探せば道はあるものである。
この壁を乗り越えさせてくれたのがこの1冊だ。
著者のポリシーは、狭い台所で、限られた道具を使い、
いかに手早くシンプルで美味しいケーキをつくるか、ということだ。
材料も、近くのスーパーですぐ手に入るものばかりで、普段の買い物のついでや、
いただきものの果物、ジャムなどを利用させていただく良い機会にもなる。
この本では18cmのエンゼル型という丸くて真ん中が空洞になっている型を使い、
分量もすべてそれで統一されている。基本のケーキさえ作れるようになれば、あとは適当でOK。
オレンジやバナナ、リンゴ、ジャムを使ったものや、かぼちゃのムース、チーズケーキ、
果てはスコーンに代表されるソーダブレッド等食事向きのものも紹介されている。
エンゼル型を持っていなくても、パウンド型があれば薄力粉を100グラム換算し、
他の材料を同じ割合にしていけばクリアできる。私はそのようにして使っている。
自分好みの味のケーキが作れるようになってから、すっかりケーキ屋を買う気が
なくなってしまった。その位、ケーキというものは作り手を反映するものなのかもしれない。
ちなみに焼きたてのケーキをつまみ食いする楽しみは、作り手でなければ味わえないのである。
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※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。