青いフレークのような若い時 「プラネタリウム」梨屋アリエ [若い人たちへ-YAブックス]
「プラネタリウム」 梨屋アリエ 講談社 2004年
引き続き、梨屋氏の作品。
中学生が主人公の4つの短編から成る作品。
そして、そのどれもに「プラネタリウム」が登場する。
ちょっと不思議な世界なのだが、それが中学生という時代の
微妙な年齢をうまく表しているような気もする。
その世界に入っていくまで、特に最初の「あおぞらフレーク」という短編では
ここに登場する青いフレークが何を意味するのかよくわからないまま
物語が進んでいく感じだ。
やがてそれは言葉でもはっきりわかっていくのだが、もしかすると
同年代の若い人たちはすぐにピンとくるのかな、などと
想像してみたくなる。
そんな、微妙な不思議な世界である。
その不思議な部分は確かに何かを象徴しているのだが、
それにあまりとらわれずに感性で受け止めておいて、
実際に流れていく事柄に目を配ると、作者がこの年代には二層の精神構造があることを
描いているのかな?とも感じる。
妙に現実的な部分と、心の中での思いの世界。
まさに、そのはざまでうまく折り合えないことを、いくつかの「不思議」な現象で
表しているのではないか。
表紙もいかにも中学生の女子が好みそうな装丁である。
ちなみにブックデザインは藤田知子氏、挿画&イラストは牧野千穂氏である。
いまどきの若い女子には表紙やイラストが中身と同じくらいに
とてもとても重要であることをよくよくわかっての作品である。
<Amazon.co.jp へのリンク>
※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。
ジャケ買いしちゃいそうな表紙です。
タイトルにもひかれます。
プラネタリウムって最近行ってないなあ。
by クレマチス (2008-09-03 20:53)
クレマチスさんへ>
ご来店&コメントありがとうございます。
本当に若い女性がつい手にしたくなるような装丁。
中身と連動しているのでうまいなあ、と素直に感心します。
最近音楽と連動した大人のプラネタリウムもあるので金曜の夜にでも
リラックスにはいいかもしれませんね・・・
by ニライカナイ店主 (2008-09-04 09:33)