魔女の宅急便 魔女の宅急便その2 角野栄子 [物語や絵本の世界を楽しみたいときに]
「魔女の宅急便」 福音館書店1993年6月30日初版
「魔女の宅急便その2-キキと新しい魔法」
角野栄子作
魔女は13歳になったら満月の晩を選んで一人立ちしなければならない・・・。
今の私達の住む日本では考えられないほど厳しい魔女になるためのルールである。
この作品については、宮崎アニメでご存知の方も多いと思う。
しかし、原作は、アニメとは異なる部分がかなりある。
生まれた家からはなれ、魔女のいない別の町や村で自分の力を使いながら、
たったひとりで暮らしていくということは、大の大人でも厳しいことだ。
このきびしい独り立ちのルールが世に魔女がまだちゃんといるということを知ってもらうための
きまりであるといくことも、原作を読むとよくわかる。
キキという一人の少女が成長していく過程をたどり、新しい町で多くの人たちの力を借りながら
自分の世界と人とのつながりを広げていく過程が、アニメよりもさらに丁寧な筆致と出来事で
描かれている。
原作を読むうちに大人であっても、素の自分というものがいったいどんな存在なのか、
きっと自然に考えてしまうのだ。それは、決していやな感じではない。
なんとか無事に1年を自分が見つけた町で過ごし、里帰りしたところから
「その2-キキと新しい魔法」の話が始まる。
そして、2作目では、さらにキキは様々な体験をして悩みも多くなる。
2年目もキキのところにはいろいろなお届けもののお願いがくるのだが、
そのお届けものが一筋縄ではいかない。
これは、子どもには楽しいディテールだし、大人には想像力のストレッチ(?)になる。
キキは首尾よく仕事をこなせることもあれば、失敗して荷物をだめにしてしまい、
やさしいお客さんに逆に励まされたりもする。
そして時には、落ち込むような、悪意のあるお届けものをしてしまうこともあり、
魔女でいることを深く考えるようになる。
そんなとき、お母さんが旅立ちの日に持たせてくれたしっかり使い込んだほうきがこわれてしまい、
キキは飛ぶこと、魔女であること、魔法ということをさらに考えてしまう。
これらのことは、大人である私達にとっても、形を変えながら胸に突き刺さる問いだ。
中には、老いるということ、仕事、やさしさ、自然、人の気持ちなど、
大人にも子どもにも大切なエッセンスが含まれている。
2作目の最後には、キキはある大決心をするのだが・・・。
それは読んでのお楽しみ!
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※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。
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yukiさんへ>
ナイスありがとうございます。
これから徐々にですが本を通じて居心地良いカフェにしていきますので
今後もご来店くださいね。
by ニライカナイ店主 (2005-11-22 21:33)
私がこの本に出逢ったのは小学生の時.
この本で間接していると思っていたら続きがあることを先日知りました(笑)
それも,自分もBlogでこの本を紹介した時です.
まだ3巻以降は読んでいないのですが,ジブリとはまた違った雰囲気で楽しめて良いですね.魔女宅はww
by sei71 (2005-11-24 21:58)
惺さんへ>
こちらへもご来店及びナイス&コメントありがとうございます。
実は明日4巻入手の予定です。
3巻も良かったですよ。まだ自分の少女の部分=未完成の部分が
反応してきます。多分、タイミングにより、大人でも楽しめると思います。
by ニライカナイ店主 (2005-11-25 00:26)