これからどうする?「日はまた昇る 日本のこれからの15年」ビル・エモット [人生や物事について考えたいときに]
「日はまた昇る 日本のこれからの15年」 ビル・エモット著 吉田利子訳
2006年初版 草思社
著者のエモット氏は、ロンドン生まれ、英国「エコノミスト」の東京支局長として
1983~6年に在日。93年からは同誌編集長。
以前、ベストセラーになった「日はまた沈む」を90年に書いて、
日本のバブル崩壊を予測した人である。
その人が「また昇る」と書いてくれると心強いような、ほんとかいな、というような・・・
ちょっと斜に構えて読み出した。
「日本は債務とデフレに悩まされた十五年に及ぶ景気低迷から
今度こそほんとうに回復したということだ」と書きながらも、
その中で日本市場の高コスト、労働市場の問題、そして最後には日本と隣国との関係を
見事に整理し、冷静な目で見抜いている。
東アジア政策、靖国問題、歴史認識の問題などにもしっかり意見している。
日本人がちゃんと直面しなければならない問題を提示してくれている。
さて、それをつきつけられた私達はどうするか?
最後まで読んで、そう思う。
日本はこのまま流されていいのだろうか?
そもそも、この流れはどこから誰が押し出しているのか?
それくらいは、せめて自分達で分析しなければならないだろう。
この作品はそれほど長い論説でもなく、小難しい経済書ではない。
誰でもとっかかりのある部分がある読みやすい書き方になっている。
著者が提言している、これからの15年で日本が諸問題を根本的に解決して、
本当の意味で独立し、東アジアの中で諸国から敬意をもって認識してもらえるような国に
なるために、どうすべきか考えたい、と強く思った。
個人でもできること、個人だからこそできること、
個人からはじめなければならないことがそこにあるはずだ。
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※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。
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