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いじめの苦しさを内側から描く 「温室デイズ」 [人生や物事について考えたいときに]


「温室デイズ」 瀬尾まいこ 角川書店 2006年

瀬尾まいこだから、と油断した。
タイトルからもほんわかしたイメージの内容を予想していたが、
痛い思いをした。

そう、これは公立小学校から中学校にわたるいじめと
そんな学校と自分なりに向き合った、あるいは一時避難した
少女や少年たちの話である。
そして、犯罪に近い非行をくりかえす少年。
その少年の心の本当の内側を描いた物語でもある。

「温室」が何を示すのか、最後の最後にわかる。

自分の小・中時代を思い出しても、確かにあの頃にもう一度
戻りたいとは思わない。
それはなぜなのか?
人付き合いが今よりも大変だったような気がするからだ。

今の子ども界はもっとキビシイのかもしれない。
逃げ場であるはずの安全ゾーンがどんどん狭まっている。
子どもによっては一番安全であるはずの場所が最も嫌な場所になっている
場合もあるかもしれない。

かなりリアルである。これは現実に近いのかもしれない。
現実そして「温室」。
もう学校を「温室」とは言わないかもしれない。
それは「外」を知っているものだけが知っているのだけれど。

このところ意図せずしていじめをテーマにした本を続けて読んでいる。
どうか、このブログを読んでくださった方には少しでも周りの子どもたちを
気にしてほしい。手を差し出して、一言かけてほしい。
そして、今いじめに悩んでいる人は大人でも、子どもでも、
絶対に死なないで、と祈りたい。
世界は広い。人もいろんな人がいる。今の人間関係がすべてではない。
逃げてもいい、戦いに敗れて一人ぼっちになる辛さから逃げるために
死を選ぶ必要は全くない。もっとたくさんの逃げ道やドアはある。
目を上げてほしい。
どうか、どうか。

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※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。

温室デイズ

温室デイズ

  • 作者: 瀬尾 まいこ
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本


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