ダン・ブラウンのデビュー作「パズル・パレス」 [ミステリーを楽しみたいときに]
「パズル・パレス」上・下 ダン・ブラウン著 越前敏弥・熊谷千寿訳
角川書店 2006年
英語教師であった著者が1998年、作家としてデビューした作品がこれだ。
次作の「天使と悪魔」に比べるとややモタモタする部分もあるが、
暗号の基礎的な考え方を知るにはいい作品だ。
物語はアメリカの影の組織、すべての情報をチェックすることのできる
ソフトとマシーンを管理する組織に勤める女性と、その恋人が
それぞれの理由でバカンスを切り上げなければ
ならなくなるところから始まる。
この著者の次作、そしてあの「ダ・ヴィンチ・コード」に比べると
やや狭い舞台で遅々として進まぬ感もある。
しかし、この作品がステップとなってラングドンシリーズへと続いていくのだ。
情報世界の恐ろしさ、暴走したソフトウェアの恐怖、いろいろなことを考えさせられる。
ただ、暗号は続く2作に比べるとわかりやすいほうなので、コンピュータに少しでも
携わったことのある方なら理解可能な範囲であるのがうれしい。
さらに、著者の成長がデビュー作を読むことでたどることができたことも発見であった。
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※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。
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