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日々を大切に生きる意味とは?「椿山課長の七日間」浅田次郎 [人生や物事について考えたいときに]

「椿山課長の七日間」 浅田次郎 朝日新聞社 2005年

自分がいつ死ぬか・・・
その多くは誰にもわからないものだ。
誰もが年老いて、いつかは死に直面するのだが、それがも事故や、急病や、
はたまた殺人だったら・・・

何も準備することなく、この世と途切れてしまったら、その時胸にかかえた思いは
いったいどこへいくのだろう?

そんなことを考えたことのある方も多いと思う。
浅田氏もその一人だ。

急に死後の世界に送られ、あまりに急であったため、現世に強い思いを残して
いたとしたら、そのままあの世の果てにいけるだろうか?
浅田氏が出した一つの答えがこの作品だといえる。

主人公はデパートの婦人服飾部の課長である。40代後半の働き盛り。
職場結婚した若くて美しい妻と子どもにめぐまれ、仕事もきびしいながら
やりがいのある日々だ。
そして、そのデパートの売り上げを決める重要なバーゲンセール前夜、
それは起こった・・・そう、主人公は物語早々に急病で亡くなってしまう。

さて、そこからが浅田ワールドへの門が開く。
あの世とこの世。
死者と生き残ったもの。
本音と建前。
その中に残る真実。

コミカルなタッチで物語は進んでいくのだが、はじめはばらばらなパズルのピースが
まるで一つの画を織り成していくように、全体像が結びつく。

最後の締めはさすが浅田氏、と爽快感が残るとともに、
日々を大切に生きることの意味を考える自分がいた。

<Amazon.co.jp へのリンク>
※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。

椿山課長の七日間

椿山課長の七日間

  • 作者: 浅田 次郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2005/09/15
  • メディア: 文庫


nice!(2)  コメント(4) 
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コメント 4

歩林

奇遇ですね!この本も読んだところです。
明日は必ずやってくるなんて、誰も保証できないですよね。
とても引き込まれる作品だったと思いました!
by 歩林 (2007-04-23 19:51) 

ニライカナイ店主

歩林さんへ>
ナイス&ご来店ありがとうございます!それにしても、続けて同じ本とは
奇遇ですね。作者が同じだとしても同じ時期にとは・・・
確かにいろんなことを考えて、今日、この時を大切にしようと
素直に思えた作品でした。
by ニライカナイ店主 (2007-04-25 00:10) 

こんばんは(^ ^)
この作品大好きです。
不思議と、コミカルなタッチなのに深く考えさせられますよね。
泣いてしまいました。
映画も観たのですが、なかなかよかったです。
(やっぱり泣いてしまいました。笑)
by (2007-05-01 21:24) 

ニライカナイ店主

madoccoさんへ>
ご来店&ナイスありがとうございます。
映画、私も見たくなりました。
キャスティングもなかなかいいですよね。
DVDで見てみようかと思います。
by ニライカナイ店主 (2007-05-20 21:58) 

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