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ただものでない?太田光がらみ「人生の疑問に答えます」「憲法九条を世界遺産に」 [人生や物事について考えたいときに]

「爆笑問題」の太田光がはじけている。
彼のほとばしるエネルギーは誰にも止められない。
それをしっかり受け止めている、あるいはそれを凌駕しているパートナーとの
タッグで完成された作品2点をご紹介したい。


「人生の疑問に答えます」 養老孟司・太田光 養老孟司製作委員会編
NHK出版 2007年

NHKの人体や脳についてのシリーズの一環で放送されたものに、
「人生への疑問」への人生相談の形をとって養老先生が答え、太田氏が聞き役になる形
で放映されたものを本の形にしたものである。

放送を見なかった私にとって、養老先生と太田氏のバランスは絶妙に思われた。
養老先生のかなり浮世離れしたハイレベルな回答を、太田氏が自分にひきつけることで
現実を生きるものたちの悩みに結びつける。

内容は、「夢を捨てられない自分」、「自分らしく働くには」・・・など、
誰にでも心のどこかにひっかかっている小骨のようなテーマばかりで親近感がある。

養老先生のすっぱりした回答どおりに動けないとしても、何かその中から
自分が今できることはないか、と太田氏のコメントを読みながら思う。
そんなちょっとおもしろい人生相談集になっている。
仕事に悩んでいる人、自分の生き方について考えている人・・・
思ったとおりの答えではないかもしれないけれど、新しい視点が生まれるかもしれない。

人生の疑問に答えます

人生の疑問に答えます

  • 作者: 養老 孟司, 太田 光
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 単行本





憲法九条を世界遺産に (集英社新書)

憲法九条を世界遺産に (集英社新書)

  • 作者: 太田 光, 中沢 新一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/08/12
  • メディア: 新書

「憲法九条を世界遺産に」 太田光・中沢新一 集英社新書 2006年

 この2人の対談、どんなものだろう?と手に取った。
時、まさにこの本にふさわしく、8月上旬から中旬にかけて読んだのだ。

中沢氏は多摩大学芸術人類学研究所所長であり、哲学、宗教など様々な面から
ものごとを語っている。
さて、「爆笑問題」でいつもアブナイ発言をしている太田氏は?
最近、テレビで見ていても、ただのお笑いの枠をはみ出して政治的な発言を
挑発的に行っている。
中沢氏が冒頭で「太田君はラッパを吹いている」と書いているように。

宮沢賢治の思想から、日本人のメンタリティを語りだしたり、
「突然変異で出現した日本国憲法」と言ってみたり、
2人の会話はまさに限界なし、常識の枠なし、ボーダーレスであり、
スリリングである。
そのライブ感は読んでみておどろくと思う。

日本国憲法ができた過程を「奇跡的」といい、
敗戦し奈落で落とされ、後悔の底にあった日本人と、
当時のアメリカ人の中に生きていた思想の良心が作り上げたのが日本国憲法だという。
決しておしつけられたのでもなく、アメリカの策略でもなく、
アメリカとしても、建国の精神と理想の憲法を目指したのであり、
それをアジアの日本という国で行おうとしたのだ、と。

その中でも、九条は一国の憲法条項としていかに異例か、異質か、ということを
認めたうえで、それが国の政治に与える摩擦も当然のこととしながらも、
それでもこの究極の条件から生まれた奇跡のような法を変えることなど、
奇跡の宝を捨てることに等しいかのように2人は語り続ける。

個人的にも、九条は人間のぎりぎりのところでの、まるで生まれたての赤ん坊のような
「良心」そのものなのだと思う。
皆が、実は世界中が望むことを具現化しているにすぎないのだ。

その「良心」を持ったこの国の国民であることを私は限りなくうれしく思う。
そして、その「良心」があるからこそ、ここにとどまろうとしているのだと。


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