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何で本を読むのだろう?「読む力は生きる力」 脇明子 [人生や物事について考えたいときに]

読む力は生きる力

読む力は生きる力

  • 作者: 脇 明子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/01
  • メディア: 単行本

タイトルから、やや堅苦しいイメージを持つかもしれないが、本好きの人、また、
いつのころからか本が苦手になってしまった人にも、ぜひ一度は手にとって
少しでも読んでもらいたい本である。
というのは、「本」「読書」というものを通じて、人間の成長や考え方についてまで通じる内容に
触れているからだ。
案外読みやすい構成、文章である。

現在ノートルダム清心女子大学教授として、また「岡山子ども本の会」などで活躍され、
海外の児童書の翻訳なども手がけている著者が、「本を読むということは、いったいなぜ必要
なのか」という長年の疑問を正面からとらえ、わかりやすい言葉で考えを展開している。
特に子どもにとっての読書の重要性、その望ましいあり方について、約90冊にわたる具体的な
児童書名を挙げて考え方を述べている。

誰でも、昔から本を読むことはいいことだ、といろんな人に言われてきたけれど、
それが何故なのか考えるというチャンスは無かったのではないだろうか。
この本は、児童書という切り口を使ってはいるが、大人もそれを頭の中で整理しなおす
よい機会になると思う。

おそらく、本好きの人はもっと本を読みたいと思うようになり、
本が苦手だった人も、それなりの付き合い方をしようと新たな本との付き合い方が
できるのようになると思う。

<小さなお子さんのいる方・お子さんに関わる活動や仕事をしている方へ>

これから本を読む子になってくれるといいなあ、と思っていても、どのようにアドバイスしたら
いいのか悩んでいる方も多いと思う。
そういう方には、まさにこの本はお勧めである。
女子大の授業を通して、学生の読書体験とその結果(本をどのように読むようになったか、
読書が好きか、苦手か等)、またそうなった理由に対する著者の分析も述べられている。
文中に著者からのお勧めの絵本・児童書も具体的に書いてあり、そういったところから
保護者が手に取り、ご自分のお子さんに合うものを手渡ししていくのに、よいガイドになってくれる。
ゲームなど、最近の子どもの遊びと読書の違いから、さらに本を読むことの大切さがわかる。

<児童書が好きな大人の方へ>
なぜ自分が児童書がいまだに気になるのか、ということの謎が解けるかもしれない。
また、自分が子どもの頃、気になりながら読まなかった児童書の大作に再挑戦するきっかけにも
なることだろう。児童書を子どもだけの領域にしてしまっては余りにもったいない。


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