やっと上巻読了「新リア王」(上)高村薫 [人生や物事について考えたいときに]
「新リア王」(上)高村薫 新潮社 2005年10月初版
やっと上巻を読み終わった。
久しぶりに手ごわい本である。
確かに、時間がかかったのには間に何冊かの本を挟んだ、ということもある。
しかし、それは正直に言えば「他の本に手を出さずにいられなかった」というべきだろう。
それほど、しんどい構成である。
青森県選出の70歳を越えた老衆議院議員が主人公だ。
「地方分権と言われている」時代に、青森という厳しい地域の特殊性、原発、新幹線等々、
いろいろな課題をキーワードにしながらも、冒頭語られる主人公の独白は
常に永田町を根城にした物言いである。
一方、地元では政治家一家の血筋としての計り知れない深淵があり、
地縁や地元自治体政治家とのかけひきがある。
まだ上巻のみなのでどのような展開が待っているかはわからない。
しかし、この国の政治のあり方、政治家というものを、「これでもか」というほど精緻に描いている。
それについていかれる者だけが、この作品を読みこなせるのかもしれない。
上巻の大半は1980年代の政治の動きを、主人公の周辺を中心にして描かれているが、
終盤になるにつれて凍り付いていた川の水が流れ始め、現在、
そして政治家とは違う世界に生きるの人々の生活につながり始める。
政治とは、国とは、そして普通に生きる私達一般の国民の生活と国・政治は
本当につながっているのか?日本という国の本当の姿はいかばかりのものなのか?
その真実・・・答えを見つけることはできるのだろうか?
そして、その姿が見えたとき、私は一国民として何を思うのだろう。
*************************************
さて・・・その前に、果たして私は下巻を乗り越えることができるのか。
まるで、厳しい山を登っているかのようだ。
山・・・といえば、今晩からTVで「氷壁」を放映するという。
井上靖の原作とはやや違う部分があるという。
原作とはどうしても時代の変化でずれてしまう2点だけを変更したという。
私が「氷壁」を読んだのは高校生の頃だったと思うが、原作を急に読み返したくなった。
あれも、大変厳しい状況の中で、何が真実で、何を信じるのか、どう生きるのか、
ということがテーマだったと思う。
これから我が家の寒々とした「本の山」に挑んで探しては見るけれども、
もしかしたら実家に残してあるのかもしれない。
本当に良い本は時を越え、時を捉え、再びよみがえる。その良い例かもしれない。
・・・と、その前に下巻である。反省。
<Amazon.co.jp へのリンク>
※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。
相当むずかしそう。とても付いては行けません。(笑)
こんなわたしでも、本家「リア王」は読みましたよ。
シェスクピアの本は何冊か読みました。すごいでしょ~。(笑)
でも、この本は見ただけで 拒絶反応が・・・うううぅぅ~っ苦しい!(笑)
by 武田のおじさん (2006-01-14 20:07)
最近、このブログおかしいと思いませんか?更新されていても日付が変わらないし、(ニライカナイさん12日のままになっている)
更新をみて、飛んできたら記事がなかったり、特に今日は振り回されています。
SOーNETさんたのみますよ~。
by 武田のおじさん (2006-01-15 00:23)
武田さんへ>
こんにちは。私、実は本家は読んでません(汗)。
だから、この後読まなきゃね、という感じです。
シェークスピアは何冊かしか読んでません。だから、これがだめなら
本家はもっとダメ、って気持ちもあり、なんとか乗り切りたいです。
楽しんで読む、という余裕は冒頭はあまりありませんでしたが、
上巻も終わりかけになると人間関係もわかり、会話形式になってくるので
かなり乗れてきました。この調子で下巻飛ばしていきたいです。
ソネットブログについては運営側もいいかげんわかっているんでしょうが、
アクセス&ブログ数においついていっていない感じがしますね。
あまりイライラするときはさっさと切って、本にもどっているこのごろです。
by ニライカナイ店主 (2006-01-15 17:23)