愛すべき半のら猫たちにささぐ「のりたまと煙突」星野博美 [エッセイやマンガでリラックスしたいときに]
「のりたまと煙突」 星野博美著 文藝春秋 2006年
タイトルだけ見ると、なんの本だろう、と思う。
表紙を見て、猫に関係があることがなんとなくわかる。
これは写真家でもある星野氏の主に猫にかかわるエッセイである。
猫を飼うに至るまでのことや猫たちのこと、旅にかかわること、家族のこと。
ただ、「煙突」ってなんだ?と最後まで考えながら読みすすむ。
最後の最後にその意味がわかるしかけになっている。
猫に少しでも関わったことのある人なら、あるいは猫の生態をご存知の方ならわかるだろう。
猫は、人間に飼われているなんてこれっぽっちも思っていない動物だろう。
考えているのは人間のほうだけだ。
自分達をママ、パパと言っているけれど、猫は一番居心地のいいところを
今の居場所としているだけなのかもしれない。
そんなことをつらつらと考えさせられるエッセイである。
猫たちの系譜を眺めながら、猫のように自分に正直に、眠りたいときに眠りたいところで眠り、
かわいがってくれるいくつかの「家」を持ち、自由に生きる。
それがかなわない夢だと思っても、それを眺めながら共に生きている著者の生活は、
猫たちを今でのひきつけているのかもしれない。
大切にしていた猫を失った飼い主または別宅の方、そして今猫に癒されている方、
猫とともに生きている方・・・いろいろな方にいろいろな読み方ができると思う。
自分に必要な受け取り方をしていいと思うのだ。
ねがわくば、のら猫を含む猫たちと人間の関係がいつまでも友好的な世界であってほしい。
<Amazon.co.jp へのリンク>
※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。
私自身は犬好きですが、周りの人々は皆猫好き。
猫好きの猫的な性格に惹かれるモノがあるのかもしれません。
この本読んでみたいなって思います。
by beruden (2006-10-23 18:38)
猫・・・あいつらは自由気ままなんですが、なぜか心を捉えて離さない(笑)
なんであんなに愛しいのでしょう・・・
長崎は猫がたくさんいます。
私も歩けば猫に当たる・・・
by (2006-10-25 23:49)
berudenさんへ>
ナイス&ご来店ありがとうございます。猫の系譜図にまず惹かれて
しまいますよ。猫にべったり、という方でなくてもたのしめるエッセイだと
思います。ぜひ、ご一読を。
by ニライカナイ店主 (2006-10-29 20:54)
ねこばすさんへ>
ナイス&ご来店ありがとうございます。長崎もある意味港町ですからね。
猫も地域によってたたずまいというか、雰囲気が違って、旅先の猫と
しばし時間を共有することも・・・。那覇の裏通りも猫だらけでした(笑)。
by ニライカナイ店主 (2006-10-29 20:56)