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脳の概念が変わるかも 「脳の中の人生」 茂木健一郎 [人生や物事について考えたいときに]


「脳の中の人生」 茂木健一郎 2005年 中公新書ラクレ(中央公論新社)

最近、よくTVの司会やコメンテーターとしてもなじみのある著者である。
脳、ということについての研究者とは知っていたが、切り口がおもしろいので
経歴などを見てみると、理学系でしかも、物理学畑の方だった。

東大の理学部を卒業後、法学部も卒業し、
さらに同大学院で物理を専攻したというからおもしろい。
今は脳、クオリア(質感)に関する著書が多いようだ。

脳科学、認知科学というのは、医学なのかとおもいきや、物理的な側面もあるのだ。
脳は、生き物の一部であるとともに、科学物質的なものでもある・・・確かにそうかもしれない。

養老先生の話がおもしろく思えるのも、解剖学という医療とは違った側面から脳を
見ているからかもしれない。(ちなみにこの著書の中にも養老先生はあるテーマで登場する)

まえがきにあるように、この本では常に心と脳の関係に触れられる。
著者いわく、「『臨床脳科学』があってもよいのではないか」というように、
脳を鍛えたり、活性化させるという今日の流行に対し、
その以前に「人生も大切だ」という前提で様々な観点から語られたものがまとめられている。

「読売ウィークリー」に連載されたものを主にまとめたものであるが、
その中でも私は二つのテーマに感慨を覚えた。

一つは、「『当たり前の判断』が人生をつくる」という章。
ここでは、無意識のうちに私達が日々行っている判断に対し、大きな判断をつきつけられると、
脳はどんな反応をするか、ということが語られる。
結果は本を読んでのお楽しみなのだが、私にとっては意外であった。
いかに悩みたたずむということが、あるときは無意味なのかを思い知らされた。
それよりも、日々の積み重ねが大切であり、
それこそが自分を作り上げていることに気づかされたのである。

もう一つは、なにもしないヴァカンスの大切さである。
あちこち見て回る忙しい詰め込み方の休みの活用法よりも、
脳にとっては何もしないでぼーっとしていることがどのように大切なのか、
再確認させられた気がする。

いずれにしろ、小さな興味あるテーマごとに区切られていて、読みやすい。
決して小難しくは無い。
そして、時々発見やそうだったのか!と思わされることがある。
そんな一冊であった。

最近頭の回転が遅くなってきたかな?とか物忘れが多くなってきた方々も
読んでみると「そうか!」と思うことが書いてあるかも?・・・しれない。

<Amazon.co.jp へのリンク>
※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。

脳の中の人生

脳の中の人生

  • 作者: 茂木 健一郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 新書


nice!(1)  コメント(3) 
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コメント 3

私は本が好きで好きでたまりません♪
このブログを読んで
わたしと同じ思いを持った方かな・・・・
と思いました(*^。^*)
by (2006-12-26 20:58) 

ニライカナイ店主

のんべいキャサリンさんへ>
初のご来店&コメントありがとうございます。さきほどそちらのブログに
ちょっと遊びに行かせていただきました。北原さんの作品は本では
読んでいないのですが、TVのドラマで見ていました。いつか本も・・・と
思っていたので、今度読んでみようと思います。また遊びにきてくださいね。本好きの方、大歓迎です。
by ニライカナイ店主 (2006-12-27 07:55) 

ニライカナイ店主

ホシさんへ>
ナイスありがとうございます。クリスマスのときに某NHKでやっていた
「サラリーマンNEO」に著者がご出演されて、本気だかギャグだか・・・
というコーナーがあってびっくりしました。でも、やっぱり「右脳と左脳を
結ぶ脳梁が・・・」と話していて、思わず夜中に笑ってしまいました。
ユーモアもある方なんですね~。なんだか一度機会があったら一緒に
飲んでみたいような・・・(笑)。
by ニライカナイ店主 (2006-12-27 08:01) 

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